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WEB ip [ JAN.2010 ]

煩悩no.121「放ちたい!」

2009年大晦日。只今15時33分。
生まれ故郷の出雲へ向かう道中、猛吹雪で一気に雪が積もり、峠にて立ち往生。
前にも進めず後ろにも下がれず、車中にてJAFを待つ。



久しぶりに見る一面の銀世界と、初めて体験するJAFの救助に、不謹慎ながらテンションがあがっていたのもつかの間、一時間待っても、二時間待っても待ち人は来ず…。

なんせ帰省ラッシュのド年末。
今日はどうやらJAFがひくてあまたな状況らしく、いつ救助に行けるか見当がつかないという。
ザ・フア〜ン!

そんな時は、最低最悪なケースを想像してしまう。

道路が閉鎖され、いつまでたってもたどり着かないJAF。
日も暮れてガソリンも尽き、寒い車中で肩を寄せ合う、2歳〜66歳の総勢6名。
雪原に木の枝で書いた「SOS」の文字は、書いたそばから降りしきる雪にかき消され…。
お腹をすかせ、泣き叫ぶ子供たち。
皆、とてつもない不安に包まれながら涙して…。
そこで私が気づくのだ。
「あ、そういや車におせちの重箱積んでますや〜ん!」
三が日はこれでとりあえずこれで大丈夫ネっ♪


と、ここまで妄想したところで、岡山県警のポリスマン到着!
どうやら、除雪車のドライバーが通報してくれた模様。

細い山道で左右は崖。



一台すれ違うのもやっとな道幅。
とりあえず、第二次災害を阻止する為に、広い道路までバックするよう指示される。
地元の市の職員さんがスコップでタイヤ周りの雪をならし、大人総動員で車を押す。
「こんなの初めて!」
車中に残っていた6歳の姪、大人達の必死さがつぼにはまって大爆笑!
子供は自由でいいなあ…。

その必死さの甲斐あって、なんとか広めのところまで移動できたものの、時は既に3時間経過。
とりあえずは引き続き、JAFの到着を待つことに。

ほっと胸を撫で下ろすも、一難去ってまた一難。
ん?んんん?

にょ、にょ、尿意が〜!

トイレは数キロ先にしかないため、最低最悪な場合の選択肢はふたつ。

1.姪っ子の紙おむつをあてがって、後部座席で放尿。
2.車外にて寒さに震えながら、車の陰で雪の上に放尿。


「まぁ!まるでかき氷レモン味みたい!」。
なんて下ネタを言う余裕はきっとなく、「33歳にして野ション」の屈辱にうちひしがれることだろう。
それは…なんとしても避けたい…。

こういう時は何か他のところに意識を飛ばすに限る。
うーん、どうしようどうしよう。と、そこで思いついたのが、
「そうだ!ipのコラム書こう!」

で、狭い車中でノートパソコンを開いている今。
しばらく意識は飛ばせたものの…、もうワタシ限界かも…。
お願いだから放たせて…。

2009年の最後のトピックスが、野ションだなんて皮肉ね。
せめて積もった雪で便器の形を作ろう(和式)。
と、半ば諦めかけたその瞬間、神は現れた。
前方より、オレンジの光を放ちながらやってきたのは、まぎれもなくJAF!

つかれきった一堂の表情は、ぱっと明るくなり、車内に感嘆の声が響き渡る。
そんな中、母が放った一言。

母「ジェフ来た〜!」

私「誰やねんっ!」

どうやら、突っ込む元気は残っていたみたい。



そして無事、我々の車は「ジェフ」の荷台に乗せられ、
雪道をひた走り、なんとか街中まで脱出成功!

途中で寄ってもらったローソンでの放出は、
これまでに味わった中で一番の快感だったかもしれない。

そんなこんなで、忘れられない大晦日に。
終わりよければすべてよしってことで。

本日の教訓:「雪道をなめんなっ!」

2010年もよろしくお願いします。
122個目の煩悩へ続く…

長滝安希 (ババロワーズ)

ええ大人がバカバカしいことをとことん本気で表現していく、関西小劇場界の自称・秘密兵器「ババロワーズ」在籍。 クロムモリブデン、208+での映像制作活動を経て、裏方からいつのまにやらコメディエンヌに。また、大阪芸術大学在学中から、アホアホ映像作品を多数制作&発表。密かにドイツやフランスで上映された輝かしい過去も…。が、メカに弱いため、時代の流れについていけず、最近はウン十万もするカメラが押し入れの肥やしになっている。 大学卒業後は表現活動と並行しながら、TV業界→大学→広告業界で働いた後、2008年よりフリーライターに。昭和の時代を愛するアラサー独身女子として、勝ち犬気取りの負け犬人生を面白おかしく満喫中。 座右の銘は「人生、運と縁と勘」。

劇団サイト=
http://babarowa.sakura.ne.jp/
個人ブログ=
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