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WEB ip [ JUN.2009 ]

『イバリコブタ』第二話

そんなとき、養豚場では新しい試みとして、ごはんにドングリが出されるようになりました。
とっても苦くて、堅くて、はっきり言っておいしくありません。



「まずいよー。」
「こんなの食べられないよ」
「あたしやだー!」
みんなは、ブーブー言って食べませんでした。



コブタはみんなに言いました。
「みんな、そんなのも食べられないの?そんなんだからおいしくなれないんだよ。ぼくはぜんぜん平気だよ!ぼくが全部食べるよ!」
コブタはひとりで全部食べました。



すると、次のテストのとき、コブタのお肉は一番やわらかくなっていたのです!

「ドングリのおかげかな?」
「あいつが食べてるなら、オイラも!」
「あの子だけをおいしくさせるわけにはいかないわ!」
こうして、みんなもドングリを食べるようになりました。

つぎに、養豚場ではマラソンの授業が行われるようになりました。
とってもつらくて、苦しくて、誰もやりたくありません。
「おなかいっぱいで、走るなんていやだよー」
「食べた後は、寝たほうが太れるんじゃないの?」
「横っ腹いたくなっちゃうー」
みんなはまたブーブー言いました。

コブタはみんなに言いました。
「みんな、そんなことも出来ないの?そんなんだからおいしくなれないんだよ。ぼくは走るよ!」
そしてコブタは真っ先に走り出しました。



「またあいつだけおいしくなるかもしれない?」
「負けてられないよ」
「あたしも、走るわ!」
こうしてみんなもいっぱい走るようになりました。

その後も養豚場では、厳しくてしんどい授業が増えてきましたが、そのたびにコブタはイバってこう言うのです。
「みんな、そんなことも出来ないの?そんなんだからおいしくなれないんだよ。ぼくはやるよ!何でもやるよ!」

(つづく)

千歳晶子
(隕石少年トースター)


ドキドキワクワクして、最後にほっこりさた気持ちになれるピクニックのような喜劇、《ピクニック・コメディー》をお届けする劇団、『隕石少年トースター』の役者。
少年少女からレポーター、主婦までいろいろ演じ、ミュージカルやバンドボーカルでの経験を活かして劇団公演では作曲や衣裳、パペット制作など手掛ける。
食べ歩き、料理、歌うこと、踊ることが大好き。
イラストを使って、いろんな声を使い分けて、ミュージカルな紙芝居公演をするのが野望♪

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