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『ほくろちゃん』第一話:ほくろちゃんとイヤリング
瑠美子ちゃんの左手の薬指の爪の横にポツンとある楕円の黒い点がほくろちゃん。
ほくろちゃんは瑠美子ちゃんと一緒に生まれました。
ほくろちゃんは瑠美子ちゃんが大好きです。
でもほくろちゃんは自分の黒くてなんだかかわいくないその姿が大嫌いでした。
瑠美子ちゃんの真っ白な手を自分が汚しているように思っていました。
瑠美子ちゃんが二十歳の成人式の日を迎えたときです。
瑠美子ちゃんのお母さんは瑠美子ちゃんに白くて真ん丸いとてもとてもかわいらしいイヤリングをプレゼントしました。
小さい真珠のイヤリングでした。
赤い着物にそのイヤリングはとても似合いました。
瑠美子ちゃんがイヤリングを耳たぶにぶら下げた時にほくろちゃんは真珠のイヤリングを間近で見ました。
ほくろちゃんは思いました。
「なんて白くて、なんてまん丸で、なんてかわいいんでしょう。私もあんなだったらいいのにな。」
その日ほくろちゃんは晩まで、白くなるおまじないとまんまるになるおまじないをしました。
でもいくら経ってもやっぱりほくろちゃんは黒くて楕円形のままでした。
成人式が終わってお家に帰った瑠美子ちゃんは早速着物を脱いでイヤリングもさっさと外してしまいました。
疲れたのかそのまま片付けもせずにグーグー寝てしまいました。
真珠のイヤリングは言いました。
「ほくろちゃんはいいな。うらやましいな。だってずっと瑠美子ちゃんと一緒にいられるんだもの。」
ほくろちゃんはなんだか嬉しくなりました。
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